2023年2月25日土曜日

2023.2.25群別岳敗退 増田の沢滑走

今回は、以前から恋焦がれていた群別岳。

予報通り、風も無くしんしんと雪が降っている。
国道から6.5km地点まで除雪してあって、随分と奥まで入ってくる事ができた。
片道10km以上歩く覚悟で来ていたので、とても助かる。
これなら、片道8km弱で済む。

とはいえ、ここは豪雪地帯。
除雪していても、その上に15cm~20cmの新雪が積もっていた。
途中スタックしそうになりながらも、クロスビーのグリップコントロール機能を使ってなんとかココまで来た。

雪はフカフカ。
暗闇の中、GPSを頼りに進む。

牧の滝に近づくとガスってきた。
真っ暗闇に追い打ちをかけてのガスなので、左右を確認しながらボトムを維持して進んでいた。
目の前に壁が現れたが滝は完全に埋まっており、私は気付かずに滝の横壁をジグジグ登っていた。
明るくなってからの帰り道。滝を上から覗いたところ↑

増田の沢から尾根にかけても、とても良い雪が溜まっていた。
この時点で弱風。雪もフカフカ。
周囲も明るくなり、沢の様子が見えてきた。

群別岳南尾根の岩峰が近くなると、青空が見えてくる代わりに爆風が吹いてきた。
周囲にあった雪は吹き飛び、パックされカチカチに。。
進行方向から弾丸の様に雪粒が飛んでくる。
岩峰を巻いたつもりがルートを間違えてしまった。
視界が開け、気付くと岩峰の上にいた。。
ルートを戻そうと思ったが、猛烈な爆風に何度も押し倒され、心が折れてしまった。
目的の斜面はカチカチ。
たぶん楽しめない。
引き返そう。
いつか再訪することを心に誓い、撤退を決めた。

岩峰の下から増田の沢へ向かって滑走。
フワフワの雪は吹っ飛んでしまったが、それなりに長く滑る事が出来た。

沢に戻ると、登っている間に風の影響を受けたみたいで、さっきまでフワフワだった雪面のスラブ化が始まっていた。
沢の片斜面で試しに切ってみたら、10cmほどの厚みで雪面が割れて伝播した。
嫌だなぁ。。
周囲の山からは、吹きすさぶ風の轟音が響いている。
さっさと移動して、熊の平まで戻りました。
心残りなので、この辺りの安全な斜面で、コンパクトに遊んでおきます。

今回、登頂出来なかった山を暫し眺めながら休憩。

疎林でヒャッホー。

下山すると、春の陽気。
駐車スペースは20台以上停めれそうでしたよ。
ワタシ以外、誰もいないけど。

山の雰囲気は掴めたので、またの機会に。

2023年2月23日木曜日

2023.2.23札幌近郊ヒクタ峰

北海道にも暖かい空気が入り込む季節になってきました。
平地では湿雪や霙の予報。
朝起きて玄関を出ると、自宅前は昨夜からはフワっと2cmくらいの降雪。
それほど降っていないかもしれないけど、期待せずに出発。
午後から本格的に降り出す予報なので、午前中だけで遊んで戻ってくることが出来る近郊の山へ。

入山すると、風の影響を受けていないフカフカの新雪が15cm以上積もっている。
やはり、山は来てみないとわからない。
右股の沢へ進み奥へ踏み込むとより雪が深くなってきた。
天気は良くないけど、風も無く穏やか。
綿の様な雪がフワフワ降ってくる。
期待していなかっただけに、このフカフカに積もった雪はありがたい。

2時間ちょいでヒクタ峰に到着。

丁度、雪は止んでいる。
視界の良いうちにドロップ。
メイン斜面は比較的緩やか。
雪がバフバフなので、スピードが乗らない。

お帰りに、登る時に見かけた斜面も滑って、昼前に下山。

なかなかお手軽でアイテムもある良い場所です。
南向きのハゲ斜面は割れてきているのでご注意を。

2023年2月12日日曜日

2023.2.12 スキー滑走中にクラックへ落下 直後にスラフが流れ込み埋没

滑走中に友人がクラックに落下、その直後上部から流れてきたスラフがクラックに流れ込み全身埋没。
無我夢中で友人を掘り出して救出。

救出者目線で、知識も技術も素人見解ですが、当日の状況をお伝えして、雪山を滑る人の参考になればと思い当日の事を書き留めておきます。

ここは、何度もリピートで訪れている標高も600mに満たない低山。
前日から20cm以上降雪があり雪は柔らかい。
この日は、曇りまたは雪の予報。平地では霙または雨になりそうな、この時期としては暖かい気温。
現地は、-2℃~0度前後。
ここは豪雪地帯なので、積雪量が半端ない。
低山でもクラックが出来やすい地域であった。
登っている時は、最初に滑走する斜面は尾根の陰で見えていなかった。

いつもの仲間2名と、私の長男を連れての大人4名で入山。
曇っていて上部はガスっているので、視界のあるところからドロップ。
長男は、ここの山を滑るのは初見なので、最初は様子見でお互い見える範囲で付いてくるように指示。
少しずつの時間差で滑り出し、ワタシが先頭で滑走。
埋没者が私の右後方から交差するように追随。長男は少し遅れて、私の後方追随。
もう一名は埋没者の後方ライン。
沢地形に入り少し下ると、クラックを発見。
単独、もしくは埋没した彼との二名だったら、そのままクラックを飛び越えて回避出来る大きさだった。


↑2022年3月5日 羊蹄山比羅夫コースで滑走中にグライドクラックが現れ、飛び越えて回避したこともあったので、対処は可能であった。


しかし、今回は長男を連れてきており、もう一名もケガから復帰したばかりだったので、この大きさのクラックを咄嗟に飛び越えられないかもしれない。
もしも、クラックに落ちたら大怪我になる可能性の方が高い。
咄嗟に止まり、大声で「ストップ!ストップ!」と制止するように叫んだ。

ワタシの後方を滑っていた彼は、止まり切れずグライドクラックに落下。
もう二名はワタシに気付き停止。
直後に上方から滑走時に発生したスラフがクラックに流れ込み、彼を埋めてしまった。
目視出来る範囲にいた事と、スキー板が片方見えていたので、急いで彼を掘り出し救出した。

長男も小さな頃から行動を共にしていたので、二次災害が起こらぬ様、安全な場所に待機していてくれた。

雪に埋まっている本人は相当息が苦しいはず。
とにかく呼吸路の確保。
息が出来るように急いで掘り出しました。
板を外し脚を解放、雪を掘り出し体が動けるようにして脱出。
スキー板は埋まっている間、雪の重みで通常よりも反り返っていた。
スラフでも雪の重みは凄まじいと感じた。

その時、自分の行動が合っていたかは分かりません。
今回のインシデントに至った悪い要素もありましたが、視界で見える範囲で埋没していた事で、即時に埋没地点を特定して迅速に救出が出来たのだと思います。
もし、単独で滑走していたら、発見、救出までの時間を要して最悪の事態もあったかもしれないし、インシデントも発生せずに回避できていたかもしれない。
もしかしたら、代わりに後続がクラックに落下して怪我をしていたかもしれない。
後から考えたらキリがないほど、多くの状況が考えられた。

雪山遊びは危険が伴う事を理解して、緊急事態に遭遇したら、その場で最善と思える判断と行動をとるしかない。

大切な友人が助かり、今はホッとしています。
彼は、私よりも知識も技術も段違いに素晴らしく尊敬できるスキーヤー。
ワタシも彼も雪山遊びが大好きで、これからも続けたいと思っています。

一つの事例として、雪山遊びをする人たちの参考になればと、動画を公開したことを理解していただきたいと思っております。

2023年2月11日土曜日

2023.2.11浜益黄金山 南東斜面&北東斜面エクストリームスキー

ここを訪れるのは数年ぶり。
浜益のシンボル黄金山。

今回は天候も良く、心強い仲間もいる。
目的の斜面に取り付きドロップポイントを目指す。

今回二度目の挑戦だけに、前回の下見が活きている。
比較的登りやすいルートを選択。
斜面を詰めて行く。
しかし、ここは尖がり山。
どのルートを選ぼうが、最終的には50度を超す斜度になって行く。

南東斜面のクリフバンド。
最初は滑ろうと思ってラインを考えていたけど、常に流れてくるスラフでカチカチになっていたので却下。

ジグを刻み慎重に登った。
画像では伝えきれない高度感なのよ。


狭い場所でセットして万蔵さんがドロップ。

無事滑り終え、無線で斜面の状況を教えてもらう。
いろいろな事を覚悟して私もドロップ。

南東斜面は日射の影響を受け、雪が腐りかけていた。
それでもノンストップでボトムまで滑走出来た。
数年越しの想いが払拭出来て感無量です。

滑走後休んでいると、少し経ってから上部の林の中から自然発生の雪崩が発生。
轟音と共に流れ落ちてきた。
山に入る時は何時も油断をしてはならぬのです。
なんと恐ろしい山。。

登り返して、日射の影響を受けていない北東斜面へ移動。
こちらも壁の様な急斜面。
ハゲている所は心細いので、藪のある場所を登ります。

滑走斜面の上部まで何とか登れた。
すぐそこに山頂の岩峰部が見える。
漢らしい尖がり具合ですね。

北東斜面は雪が良く安定していた。
こちらも、シュート部に限っては硬くてガリガリしていましたけど。

スティープ斜面を満喫。
お帰りは平坦な林道を戻ります。

信頼出来る仲間のお陰で、ようやく良いイメージでこの山を滑り終える事が出来ました。

2023年2月5日日曜日

森の中のシュートで朝活

 本日はゆっくり起きて、近郊の山で朝活。
午後から息子くんとパークの予定なので、のんびりしていても良かったのだが、どうしても山に登ってカラダを動かさないとスッキリしない。
ということで、お気に入りのシュートへ。

滑り終え、スッキリしてから長男のNUTSさんとテイネパークへ。

午後から滑り始めて、終了時間まで休みなく滑りました。
ヤル気スイッチが入ったのか、パークが終わってからもオリンピアゾーンに移動して、ナイターまで食い込んじゃいましたよ。
  
久しぶりのパークでしたが、やり始めるとやっぱり楽しいね。
時間がある時に、また来てみようかな。

2023年2月4日土曜日

深雪の充満した幻のボウルは危険なアトラクションだらけ

我々は、以前から気になっていた斜面の調査に向かった。

沢の中は地形図に載っていない崖がそそり立っている。
何か嫌な予感がしますね。

崖を避けて適切なルートファインディングで尾根に取り付き、目的の斜面を目指す万蔵さん。

3時間程でドロップポイントに到着。
想像以上に、バフバフの雪が溜まっていてデカイ斜面が待ち構えていた。
標高差370mのロングボウル。
今シーズン一番のバフバフ、オーバーヘッドパウダー!
こりゃ大収穫ですわ。来た甲斐がありました。

しかし、ウハウハしてたのも、つかの間。
滑り終えた沢の中は、登っていた時に見ていた嫌な地形がそのままスケールアップ。
お帰りの沢が超険悪。
ハリウッド映画の如く、次から次へと現れるキケンなアトラクション。
地形図には無い滝や、巨岩に4m以上積もったマッシュに、川がアチコチで口を開けて、我々の滑落を待ち受けている。
川は水量も多いし深いので、落ちたりしたら脱出不可能。
いつもなら、攻略を楽しんで突き進むところですが、これだけ険悪だと進退窮まる事が目に見えている。
熟慮の末、撤退を決意。
登り返して安全な尾根から帰還しました。

今までは、ユーフレ谷が一番険悪でしたが、今回の沢がナンバー1の険悪沢に認定されました。何せ突破出来なかったもんですから。。